ジョゼと虎と魚たち ニュース

<インタビュー>ジョゼと虎と魚たち ボンズのチャレンジ アニメでリアリティー描ききる

「ジョゼと虎と魚たち」を手がけたボンズの南雅彦代表取締役
「ジョゼと虎と魚たち」を手がけたボンズの南雅彦代表取締役

 田辺聖子さんの小説が原作の劇場版アニメ「ジョゼと虎と魚たち」(タムラコータロー監督)が12月25日に公開された。俳優の妻夫木聡さん、女優の池脇千鶴さん主演、犬童一心監督の実写映画が2003年に公開された名作で、アニメは「鋼の錬金術師」「交響詩篇エウレカセブン」「僕のヒーローアカデミア」などで知られるボンズが制作した。ボンズといえば、派手なアクションが得意なイメージがある。青春ラブストーリーでアクションもない「ジョゼと虎と魚たち」は、「チャレンジ」になったという。数々のヒット作を手がけてきたボンズの南雅彦代表取締役に「ジョゼと虎と魚たち」のチャレンジについて聞いた。

 ◇絶妙なバランスでアニメ化

 「ジョゼと虎と魚たち」は、足が不自由なジョゼと大学生の恒夫の恋と、夢に向かって進んでいく姿を描く。恒夫が、ジョゼの相手をするバイトをすることになり、ワガママなジョゼは恒夫を困らせるが、恒夫も我慢することなく真っすぐぶつかり、2人の心の距離は徐々に縮まっていく。ジョゼは意を決して夢見ていた外の世界へ恒夫と共に飛び出していくことになる。中川大志さんが恒夫、清原果耶さんがジョゼの声優を務めたことも話題になっている。

 ボンズにとって「ジョゼと虎と魚たち」は、異色のアニメなのかもしれない。前述のように、ボンズといえば、派手なアクションなどが得意なイメージがある。

 「爆発がない、ミサイルも出てこないし、ロボットに変形もしない。ボンズの場合、爆発がないアニメはあっても、アクションがないアニメはほとんどないんです。『桜蘭高校ホスト部』もアクションが結構あるんですよ。花瓶が割れるところがボンズっぽいと言われたり(笑い)。なんで、ボンズがやるのか? アクションが得意とは言われていますが、ジャンルを決めているわけではありません。原作があり、その中でどういう表現できるのか?とチャレンジできる作品だと思ったんです。実写版も見ていましたし、原作の短編小説も読んでいました。短編の原作を長尺のアニメにするなら、実写とはストーリーから違うものになるだろうし、チャレンジになると考えていました」

 「ジョゼと虎と魚たち」は、実写版もある。アニメは、アニメならではの魅力にあふれた作品に仕上がった。

 「キャラクターなどの表現を簡略化するのがアニメーション。その表現の中でリアリティー、彼らが生きていることを表現しないといけない。背景もリアルな方向に振っているわけではなく、筆のタッチを生かして、光、音を感じる表現をしています。それが伝わる魅力的なフィルムになっています。アニメーションとして描ききったところを見ていただきたい」

 日本のアニメは独自の進化を遂げ、表現の幅を広げてきた。「ジョゼと虎と魚たち」も絶妙のバランスでリアリティーとファンタジーが融合した映像に仕上がった。

 「映像学科出身ですし、実写映画も好きですが、アニメのプロの現場に入ると、実写映画への嫉妬があるんですよ。実写は、カメラで切り取れば、役者の人生が映る。役者によって演技が変わる。アニメは全部描かないといけない。恋愛ものは、実写の方が向いているかもしれないけど、アニメーションの表現の技術が上がり、演出論も進化してきた中で、このようなジャンルでもチャレンジできるようになってきた。キャラクターの造形もどんどん変わっています。アニメ的なキャラクターの造形だと思いますが、表情を付けると、リアルさも生まれてくる絶妙なバランスがあります。コロコロ変わるジョゼの表情も見どころですね」

 ◇映画は特別なもの

 南代表取締役は「ジョゼと虎と魚たち」を「恋愛ものというよりは成長もの。成長といっても時間が人を変えていく。そこが見える映画になったのかな。スタッフみんなが真っすぐに作品に向き合い、いいフィルムになったと思います」と自信を見せる。さまざまな世代が楽しめる作品に仕上がった。

 「この映画のターゲットはジョゼと恒夫の同世代や下の世代だけど、シナリオ段階で、50、60代の方も孫を見るように楽しめると思っていました。自分の立ち位置はそこなのかもしれない……と一歩引いて、おじいちゃんの目線で現場を見ていました(笑い)」

  2016年に公開された「君の名は。」が大ヒットし、「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が快進撃を続けるなど近年、劇場版アニメがますます注目を集めている。一方で、新型コロナウイルスの感染拡大影響もあり、「大ヒット作以外は厳しい……」という関係者の声もある。南代表取締役は、今後も劇場版アニメに積極的に取り組もうとしている。

 「映画は特別なものという感覚があり、ぜひやっていきたい。プロデューサーとして『ストレンヂア 無皇刃譚』というむちゃなアニメを作ったこともありました(笑い)。思いっきりできたんですけどね。若いプロデューサーも映画をやった方がいいと思います。テレビとはお客様が作品に向き合う環境が違いますからね。真っ暗なところで同じ方向を向いて2時間近く見ていただくという環境は素晴らしい。配信などで、アニメを見る環境が変化していますが、映画はずっと変わっていないですし」

 「ジョゼと虎と魚たち」というチャレンジをへて、南代表取締役は「どんどんチャレンジしたい。苦労しますけどね」という。ボンズのチャレンジはまだまだ終わらない。

<激推シネマ>名作「ジョゼと虎と魚たち」アニメ版、中川大志&清原果耶が声 「劇場版ポケットモンスター ココ」上白石萌歌、中村勘九郎も

劇場版アニメ「ジョゼと虎と魚たち」のビジュアル(C)2020 Seiko Tanabe/KADOKAWA/Josee Project
劇場版アニメ「ジョゼと虎と魚たち」のビジュアル(C)2020 Seiko Tanabe/KADOKAWA/Josee Project

 今週公開される映画からMANTANWEB編集部の“激推し”作品を紹介する「今週の激推シネマ」。今回は12月25日に公開された劇場版アニメ「ジョゼと虎と魚たち」(タムラコータロー監督)、人気アニメ「ポケットモンスター」の「劇場版ポケットモンスター ココ」(矢嶋哲生監督)を“激推し”する。

 「ジョゼと虎と魚たち」の原作は芥川賞作家の故・田辺聖子さんの同名小説(角川文庫)。2003年に俳優の妻夫木聡さん、女優の池脇千鶴さん主演で実写映画化され、高評価を得て話題となった。劇場版アニメでは、中川大志さんが大学生・恒夫、清原果耶さんが車椅子のヒロイン・ジョゼ、宮本侑芽さんが恒夫のバイト先・ダイビングショップの後輩・舞、興津和幸さんが恒夫のバイト先の友人・隼人、Lynnさんが図書館の司書・花菜、松寺千恵美さんがジョゼの祖母チヅをそれぞれ演じる。

 ジョゼと恒夫の恋と、夢に向かって進んでいく姿を描く。恒夫が、ジョゼの相手をするバイトをすることになり、口の悪いジョゼは恒夫にきつくあたるが、恒夫も我慢することなく真っすぐぶつかり、2人の心の距離は徐々に縮まっていく。ジョゼは意を決して夢見ていた外の世界へ恒夫と共に飛び出していく。

 「劇場版ポケットモンスター ココ」は、シリーズ23作目。森を舞台に、ポケモン・ザルードと、ザルードに育てられた少年・ココとの親子愛を描く。10歳の少年・ココを上白石萌歌さん、森で見つけた人間の赤ん坊を育てる幻のポケモン・ザルードを中村勘九郎さんが演じる。

 ジャングルの奥地に、厳しい掟(おきて)で守られたポケモンたちの楽園「オコヤの森」があった。そこで暮らしていたザルードは、ある日、川辺で人間の赤ん坊を見付ける。見捨てられないザルードは、森のおきてに反して、赤ん坊をココと名付け、群れを離れて2人で暮らすことを決意。10年後、オコヤの森にやってきたサトシとピカチュウは、ココと出会う。自分をポケモンだと思っていたココに、少しずつ疑問が芽生え始める……。

 そのほか、お笑いコンビ「キングコング」の西野亮廣さんの絵本「えんとつ町のプペル」が原作の劇場版アニメ「映画 えんとつ町のプペル」(廣田裕介監督)、俳優の吉沢亮さんがコンピューター将棋にのめり込んでいく主人公を演じる「AWAKE」(山田篤宏監督)、クリエーター・ユニット「HoneyWorks」がプロデュースするバーチャルアイドル「LIP×LIP」の劇場版アニメ「HoneyWorks 10th Anniversary “LIP×LIP FILM×LIVE”」(室井ふみえ監督)も同25日に公開された。

<インタビュー>宮本侑芽 劇場版アニメ「ジョゼと虎と魚たち」 人間の感情をリアルに表現

「ジョゼと虎と魚たち」に声優として出演する宮本侑芽さん
「ジョゼと虎と魚たち」に声優として出演する宮本侑芽さん

  田辺聖子さんの小説が原作の劇場版アニメ「ジョゼと虎と魚たち」(タムラコータロー監督)が12月25日に公開される。俳優の妻夫木聡さん、女優の池脇千鶴さん主演、犬童一心監督の実写映画が2003年に公開された名作で、アニメは中川大志さんと清原果耶さんが声優としてダブル主演を務める。中川さんが演じる恒夫がバイトするダイビングショップの後輩・二ノ宮舞を演じるのが、「SSSS.GRIDMAN」の宝多六花役などで知られる宮本侑芽さんだ。宮本さんに、人間の感情をリアルに表現しようとしたというアフレコについて聞いた。

 ◇名作にプレッシャーも

 「ジョゼと虎と魚たち」は、足が不自由なジョゼと大学生の恒夫の恋と、夢に向かって進んでいく姿を描く。恒夫が、ジョゼの相手をするバイトをすることになり、口が悪いジョゼは恒夫にきつくあたるが、恒夫も我慢することなく真っすぐぶつかり、2人の心の距離は徐々に縮まっていく。ジョゼは意を決して夢見ていた外の世界へ恒夫と共に飛び出していくことになる。中川さんが恒夫、清原さんがジョゼ、興津和幸さんが恒夫のバイト先の友人・松浦隼人、Lynnさんが図書館の司書・岸本花菜、松寺千恵美さんがジョゼの祖母の山村チヅをそれぞれ演じる。

 宮本さんは、オーディションを受けるまで同作のタイトルを聞いたことはあったが、原作を読んだことはなかったという。

 「オーディションを前に原作を読み、(実写の)映画を見たのですが、本当に素晴らしい作品なんですよね。映画は、色彩がちょっと暗くて、雰囲気が好きでしたし、短編小説もすごくすてきでした。オーディションでは、アニメのイメージボードを見せていただき、どういうふうになるんだろう?とワクワクしていました。すてきな作品ですし、出演させていただくことになり、うれしかったのですが、プレッシャーもありました」

 アニメは、原作や実写映画ともまた違う「ジョゼ」の世界を表現した。

 「すごい! こんなに表現の幅がある作品なんだと、改めて表現の世界の素晴らしさを感じました。同じ映像作品でも映画とアニメでは世界観が違いますが、『ジョゼ』の世界なんですよね。驚きました」

 ◇ナチュラルな演技を 放心状態に…

 中川さんと清原さんが出演することはオーディション時から知っていたといい「どんな世界になるのだろう?と想像を膨らませて、楽しみにしていました」という。

 「中川さん、清原さんの演技で200倍くらい世界が広がっているように感じました。脚本では、ジョゼは強めのキャラクターなのかな?と思っていました。でも、清原さんの演技もあり、いとおしく感じるんですね。心がキュンとしました。脚本を読んだ段階で、イメージはしていましたが、ナチュラルであまりにもすてきな演技でしたので、自分の道筋を広げていただきました」

 宮本さんが演じる舞の演技もまたナチュラルな印象を受ける。

 「オーディションの段階で、ナチュラルなお芝居なのかな?と考えていました。イメージボードなどの自然な色彩に合わせてお芝居しようとしました。清原さんの演技が心に染み、ちゃんとボールを返さないと!と必死でした。何度もやり直しをさせていただき、舞として話し、ジョゼと向き合い……といろいろ意識していたので、終わった後は放心状態になりました」

 特に印象的なのが、舞がジョゼに気持ちをぶつけるシーンで、宮本さんの演技が感動的だ。

 「監督からは『人間に寄り添った作品にしたい』というお話があったんです。舞の感情が高ぶるシーンでは『人間らしく感情を突出してほしい』というお話もありました。自分はどんな人間なのだろう?と自分の日常を考えながら、お芝居と向き合った瞬間でした。人間の感情の動きをリアルかつ緻密に作り上げ、怒る、笑いなどの感情について見つめ直しました。本当は現場で勉強しちゃいけないんですけど、すごく勉強させていただきました」

 「ジョゼと虎と魚たち」は宮本さんにとって挑戦となった。「ナチュラルな演技でいつもとは空気感が違います。頑張ったところです」と振り返る。

 ◇来年はキャンプに挑戦 準備は…

 宮本さんは今年「群れなせ!シートン学園」「ID:INVADED イド:インヴェイデッド」「イエスタデイをうたって」「球詠」「くまクマ熊ベアー」など数々のアニメに出演した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、アニメのアフレコがこれまでと同じようにできないなど変化もあった一年だった。

 「私だけではないのですが、本当に大変な一年でした。あっという間でしたね。来年は2倍、いや3倍は頑張らないと! 充実した一年にしたいです」

 プライベートではキャンプに挑戦してみたいという。

 「『ゆるキャン△』を見て、2019年くらいからキャンプをしようとしているのですが、なかなか行けなくて……。2021年はキャンプをしてみたいです! 実は道具を用意したんです。風から火を守る風よけとゴミ箱を買いました。お店で見て、こんなのがあるんだ!と買ってみたけど、これだけだと何もできない(笑い)。もしかしたら持っている人も少ないかもしれませんし、風よけとゴミ箱で、キャンプを支える気持ちは万全です!」

 2021年は宮本さんのさらなる躍進が期待される。キャンプでの活躍も。

<インタビュー>中川大志&清原果耶 「ジョゼと虎と魚たち」2人が声を演じる意味とは? 意識したのは「ナチュラルさ」

劇場版アニメ「ジョゼと虎と魚たち」で鈴川恒夫の声を演じる中川大志さん(左)とジョゼ役の清原果耶さん
劇場版アニメ「ジョゼと虎と魚たち」で鈴川恒夫の声を演じる中川大志さん(左)とジョゼ役の清原果耶さん

 田辺聖子さんの同名小説が原作の劇場版アニメ「ジョゼと虎と魚たち」(タムラコータロー監督)が12月25日に公開される。同作で海洋生物学を専攻する鈴川恒夫を演じるのが中川大志さん、車いすで生活する可愛らしい見た目とは裏腹に毒舌家のジョゼを演じるのが清原果耶さんだ。声優を務めた2人は、キャラクターを作りすぎず、「ナチュラルさ」を大事に演じることを意識したという。中川さん、清原さんにアフレコ秘話や共演しての感想、大活躍中の現在の状況への思いなどを聞いた。

 ◇恒夫とジョゼを2人はどう演じた?

 「ジョゼと虎と魚たち」は、足が不自由なジョゼと大学生の恒夫の恋を描く。劇場版アニメは、ある晩、坂道で転げ落ちそうになったジョゼを助けた恒夫が、ジョゼの祖母チヅから、ジョゼの相手をするバイトを持ち掛けられる。口が悪いジョゼは恒夫にきつくあたるが、恒夫も我慢することなく真っすぐぶつかり、2人の心の距離は徐々に縮まっていく。そして、ジョゼは意を決して夢見ていた外の世界へ恒夫と共に飛び出していく。

 中川さんが演じる恒夫は、メキシコに生息する幻の魚の群れを見るという夢を持ち、留学のために、アルバイトに励む大学生。中川さんは「ちょっと天然だったり若干鈍感だったり、という部分もある。自分の世界観を持っているキャラクターだと思います」という。魚を好きなあまりダイビングショップで働くなど、好きなことに一直線な点は自身にも共通するといい、「僕も熱中するとハマったり、凝り性。好きなことになると周りが見えなくなるところは似ているかなと思います」と、演じる上では、そうした“好き”に対する熱量を大事にしていたという。

 一方、清原さん演じるジョゼは毒舌家で、気が強く、素直ではないが可愛らしさも垣間見える女性だ。独特の個性を持ったキャラクターゆえ、自身には「重ねやすくはない」というが、「言葉の中にジョゼらしい愛しさがあったり、ちょっとヤキモチを焼いたり、普通の女の子らしい一面が見えるところもある。でも、人生を達観したように感じているところもあり……魅力がたくさん詰まっているキャラクターだと思っています」と役への思いを語る。

 関西弁のジョゼを演じる上では、「関西弁なまりが、良いアクセントになるように話さないといけない、と気をつけていました」と清原さん。もともと大阪出身で関西弁はなじんだものだが、より分かりやすい関西弁にするなどの指導は受けたという。また、演じる際、ジョゼの実年齢よりも幼いイメージでのぞんだ。「ジョゼは24歳ですが『もっと幼い、小学生ぐらいの子に声をあてている気持ちで演じた方が良いと思います』と監督にディレクションしていただきました。『どう幼くしたらいいんだろう……』と悩みつつ、そういう感覚を持って演じました」と振り返る。

 ◇“声優ではない2人”が演じる意味

 これまでも劇場版アニメや日本語吹き替え作品、ドキュメンタリーのナレーションなど声の仕事を経験してきた中川さんと清原さんだが、声優は本職ではない。だが、今回「声優ではない僕ら(が演じること)の意味」として伝えられたのは、あえてキャラクターを作りすぎない「ナチュラルさ」だったと中川さんは明かす。

 「アニメーションに声をあてるとなると、声優さんにしかできない技術やキャラクターらしさがある。でも、今回はやりすぎず、キャラクターを作りすぎず、ナチュラルさを大事にしてほしい、と。アニメーションの声、キャラクターの声といえども、キャラクターっぽくしすぎず、人間らしさのあるナチュラルさを大事に、演じながらラインを探っていきました」と中川さん。

 清原さんは「台風のノルダ」で劇場版アニメへの出演経験があるが、「そのときはこの世界に入って間もない頃だったので、『どうしたらいいんだろう』と右も左も分からない感覚でアフレコの現場に行きました」と当時の率直な心境を明かし、「声優の仕事については分からないことだらけというのは今回も同じだったので、監督のお話をちゃんと聞いて、体現できるようにだけはしよう、と。大阪出身なので、関西弁は『こっちの方が良いんじゃないか』とご提案させていただいた部分もありました」と積極的な姿勢でのぞんでいたことを明かす。

 ◇“完璧”から“柔軟”へ 意識変化し「今は楽しい」(中川さん)

 中川さんと清原さんはこれまで何度か共演しているが、中川さんは清原さんについて「とにかく役に対して真摯(しんし)。それを改めて実感しました」と話す。「ジョゼというキャラクターは、すごく難しいと思います。とことんキャラクターっぽく、アニメとしての表現をした方が分かりやすいキャラでもある。そこを絶妙に演じているのはすごいなと思いました」と表現力に感嘆し、「ストイックだな、と思いました。『とにかく負けず嫌いなんだろうな』というのは常に感じていました。妥協をしないというか……僕もそういうタイプなので、分かる」と共感も示す。

 清原さんは「中川さんこそストイックな方なんです」と照れ笑いし、「『ここは譲らない』という部分は、しっかり監督に提示して作り上げていくことを大切にしてらっしゃる方。アフレコの経験は2回目だったので、不安があったんです。でも、中川さんが率先して、前のめりにもの作りをする姿を見せてくださったので、すごく助けられました」と共演を振り返る。
 
 恒夫にジョゼと、今作でメインキャラクターを演じた2人。共に映画にドラマにと現在大活躍中だが、順調にキャリアを積み上げている中で、どのようなことを意識しているのだろうか。最後にそう聞いてみると、「昔とは考え方が変わってきている」と中川さんはいう。

 「以前は、自分が思い描いていたプランやビジョンがハマらないと納得がいかなかった。悔しいし、『完璧じゃないと嫌だ』と理想が高かったんです。でも、今はそのときに起きたことがすべてだと思うようになって……『自分のやれることをやれるだけやれば、あとはどうにでもなっていい』という考え方でいます。その瞬間に起きている生っぽさや予想外のこと、はみ出ることの面白さは絶対あるんだろうな、と思うから、柔軟に飛び込むだけですね。前は(完璧に)やらなきゃ、と思っていたけど、今は逆に楽しいです。飛び込める準備や覚悟は必要ですが『その瞬間に身をゆだねる』ということは、意識しています」と語った。

 一方で清原さんは、日常の「時間の使い方」を考えるようになったという。「映画『3月のライオン』の打ち上げで、大友啓史監督が『あなたは日々、日常を楽しんでしっかり生きてください』と言ってくださって。当時はあまり意味を理解できていなかったのですが、(日常は)全部、役者という仕事の役に立つので、『そういう意味だったのか』と、この1~2年でかみしめるようになってきました」と明かし、「自分がしたい私生活の時間の使い方ってなんだろう、と考えるようになりました。“自分のための暇”を大事にするようになった気がします」と柔らかい笑顔を浮かべていた。

劇場版アニメ「ジョゼと虎と魚たち」予告編 “ジョゼ”清原果耶が「しばく」 “恒夫”中川大志「あいつ泣かす」  挿入歌にEve

出典:YouTube
劇場版アニメ「ジョゼと虎と魚たち」のビジュアル(C)2020 Seiko Tanabe/KADOKAWA/Josee Project
劇場版アニメ「ジョゼと虎と魚たち」のビジュアル(C)2020 Seiko Tanabe/KADOKAWA/Josee Project

 芥川賞作家の故・田辺聖子さんの小説が原作の劇場版アニメ「ジョゼと虎と魚たち」(タムラコータロー監督、12月25日公開)の予告編が10月13日、公開された。女優の清原果耶さんが足が不自由な少女ジョゼ、俳優の中川大志さんが大学生の恒夫を演じており、予告編ではジョゼが恒夫に「見たらしばく」「あたいを海まで連れて行け」と話す場面や、ジョゼに振り回される恒夫が「あいつ泣かす!」と愚痴をこぼすシーンなどが描かれた。

 予告編では、恒夫がジョゼの無理難題に振り回されるコミカルなシーンのほか、恒夫がふさぎ込むジョゼを連れ出し、さまざまな場所に出かける様子などが描かれた。主題歌を担当する歌手のEveさんが挿入歌「心海」を担当することも発表され、予告編で同曲がお披露目された。

 ゲスト声優としてお笑いコンビ「見取り図」が出演することも発表された。見取り図の盛山晋太郎さんが恒夫がバイトをしているダイビングショップの西田店長、リリーさんが駅員をそれぞれ演じる。盛山さんは「よく声が特徴的だねと言われてたので、このお話がきた時はすごくうれしかったです」と話し、リリーさんは「声優はやってみたい仕事の一つだったので、一つの夢がかない、とてもうれしいです!」とコメントを寄せた。

(C)2020 Seiko Tanabe/KADOKAWA/Josee Project
(C)2020 Seiko Tanabe/KADOKAWA/Josee Project

劇場版アニメのダブル主演に中川大志&清原果耶 新たな公開日は12月25日に

劇場版アニメ「ジョゼと虎と魚たち」の声優陣とキャラクタービジュアル(C)2020 Seiko Tanabe/ KADOKAWA/ Josee Project
劇場版アニメ「ジョゼと虎と魚たち」の声優陣とキャラクタービジュアル(C)2020 Seiko Tanabe/ KADOKAWA/ Josee Project

 公開が延期されていた、芥川賞作家の故・田辺聖子さんの小説が原作の劇場版アニメ「ジョゼと虎と魚たち」(タムラコータロー監督)の新たな公開日が12月25日に決まり、中川大志さんと清原果耶さんが声優としてダブル主演を務めることが8月13日、明らかになった。中川さんは、留学する夢のためにアルバイトに勤(いそ)しむ大学生・恒夫、清原さんは、可愛らしい見た目とは裏腹に口が悪い車椅子のヒロイン・ジョゼの声優を務める。

 中川さんは「恒夫を演じていけばいくほど、僕はジョゼが愛おしくてたまらなくなりました。ジョゼと出会って、見慣れたはずの景色がこんなにもカラフルに見えるなんて。お客様にも、ジョゼと恒夫と共に、劇場でその景色を見ていただければうれしいです」と語り、清原さんは「出会うべくして出会ったような、そんな2人が手を取り合って新しい世界へ飛び出すお話です。ジョゼを演じると聞いた時、とてもうれしく思ったことを覚えています。アニメーションでしか描けない映像の美しさを、ぜひスクリーンで感じていただければ幸いです」とコメントしている。

 また、宮本侑芽さんが、恒夫がバイトしているダイビングショップの後輩・二ノ宮舞、興津和幸さんが恒夫と同い年のバイト先の友人・松浦隼人、Lynnさんがジョゼが恒夫と共に訪れた図書館の司書・岸本花菜、松寺千恵美さんがジョゼの祖母の山村チヅの声優を演じることも発表された。主題歌は、歌手のEveさんの「蒼のワルツ」に決定した。

 特報映像も同日解禁され、「お前は今日から管理人や」と言い放つジョゼと恒夫のやり取りや、人魚のような姿になって自由に泳ぎ回るジョゼの映像と共に、彼女の「ええなぁ、お前は好きな場所に行けて」という内面を吐露するようなセリフなどが収められている。

(C)2020 Seiko Tanabe/ KADOKAWA/ Josee Project
(C)2020 Seiko Tanabe/ KADOKAWA/ Josee Project
出典:YouTube

劇場版アニメが公開延期 “希望にあふれる”ビジュアルも公開

劇場版アニメ「ジョゼと虎と魚たち」のビジュアル(C)2020 Seiko Tanabe/ KADOKAWA/ Josee Project
劇場版アニメ「ジョゼと虎と魚たち」のビジュアル(C)2020 Seiko Tanabe/ KADOKAWA/ Josee Project

 芥川賞作家の故・田辺聖子さんの小説が原作の劇場版アニメ「ジョゼと虎と魚たち」(タムラコータロー監督)が予定していた夏の公開を延期することが6月12日、分かった。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、延期されることになった。今後の公開日は決定次第、公式サイトで発表される。

 「夢に向かってひたむきにまっすぐ進んでいく恒夫と、夢見ていた新たな世界へ飛び出そうとするジョゼの希望にあふれた姿をお届けするべく、現在スタッフ一丸となって作品を鋭意制作中」といい、恒夫とジョゼが笑顔で過ごす様子を描いた新ビジュアルが公開された。

ジョゼと恒夫がはしゃぐ姿、幻想的な空と海も 劇場版アニメのカット公開

劇場版アニメ「ジョゼと虎と魚たち」の一場面 (C)2020 Seiko Tanabe/ KADOKAWA/ Josee Project
劇場版アニメ「ジョゼと虎と魚たち」の一場面 (C)2020 Seiko Tanabe/ KADOKAWA/ Josee Project

 2003年に俳優の妻夫木聡さん、女優の池脇千鶴さん主演で実写映画化もされた芥川賞作家の故・田辺聖子さんの小説が原作の劇場版アニメ「ジョゼと虎と魚たち」(タムラコータロー監督、2020年夏公開)の場面カットが3月3日、公開された。幻想的な空が広がる海辺で、ジョゼと恒夫がはしゃぐ姿や、ジョゼが海の中を泳いでいるような場面などが描かれている。

(C)2020 Seiko Tanabe/ KADOKAWA/ Josee Project
(C)2020 Seiko Tanabe/ KADOKAWA/ Josee Project
(C)2020 Seiko Tanabe/ KADOKAWA/ Josee Project
(C)2020 Seiko Tanabe/ KADOKAWA/ Josee Project
(C)2020 Seiko Tanabe/ KADOKAWA/ Josee Project
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(C)2020 Seiko Tanabe/ KADOKAWA/ Josee Project

「ジョゼと虎と魚たち」2020年に劇場版アニメ化 タムラコータローが監督、ボンズ制作

劇場版アニメ「ジョゼと虎と魚たち」のティザービジュアル (C)2020 Seiko Tanabe/ KADOKAWA/ Josee Project
劇場版アニメ「ジョゼと虎と魚たち」のティザービジュアル (C)2020 Seiko Tanabe/ KADOKAWA/ Josee Project

 2003年に俳優の妻夫木聡さん、女優の池脇千鶴さん主演で実写映画化もされた芥川賞作家の故・田辺聖子さんの小説「ジョゼと虎と魚たち」(角川文庫)が、劇場版アニメ化され、2020年に公開される。「ノラガミ」シリーズのタムラコータローさんが監督を務め、「交響詩篇エウレカセブン」「僕のヒーローアカデミア」などのボンズが製作する。

 「ジョゼと虎と魚たち」は、自分の世界を生きる足が不自由な少女ジョゼと、ひょんなことから彼女と出会った大学生の恒夫の恋を描く。犬童一心監督の実写映画が2003年に公開された。

 劇場版アニメは、「ストロボ・エッジ」の桑村さや香さんが脚本を担当し、マンガ「荒ぶる季節の乙女どもよ。」の作画を担当した絵本奈央さんがキャラクター原案、「妖狐×僕 SS」「クジラの子らは砂上に歌う」などの飯塚晴子さんがキャラクターデザイン、総作画監督を務める。また、絵本さんが手がけるコミカライズの連載が、2020年1月6日発売の雑誌「ダ・ヴィンチ」(KADOKAWA)2020年2月号でスタートすることも発表された。

 ◇スタッフ(敬称略)

 監督:タムラコータロー▽脚本:桑村さや香▽キャラクター原案:絵本奈央▽キャラクターデザイン・総作画監督:飯塚晴子▽コンセプトデザイン:loundraw(FLAT STUDIO)▽音楽:Evan Call▽アニメーション制作:ボンズ

 ◇タムラコータロー監督のコメント

 ようやく発表できました。田辺聖子さんの短編小説「ジョゼと虎と魚たち」が執筆されてかれこれ干支が三周しようとしてるわけですが、この作品にはどんなに時が経っても多くの人の心を捉えて離さない不思議な魅力があります。どこにでもありそうで、どこにもなかった物語。新しい時代を迎えた今だからこそ映像化を通して再度スポットライトが当てられれば幸いです。

 ◇田辺聖子事務所のコメント

 主人公のジョゼは、足の悪い、ちょっと世の中をナナメに見ている女の子。そのジョゼが、人を愛することによって、世界への扉を一つずつ開いていきます。扉を開ける前のすくむような気持ち、そして扉を開けたときの驚きと、あふれるような喜び。この作品をご覧になる皆様が、ジョゼの“冒険”を一緒に楽しんでくださいますように。原作者・田辺聖子もきっとそう望んでいると思います。

(C)2003「ジョゼと虎と魚たち」フィルムパートナーズ
(C)2003「ジョゼと虎と魚たち」フィルムパートナーズ
(C)2003「ジョゼと虎と魚たち」フィルムパートナーズ
(C)2003「ジョゼと虎と魚たち」フィルムパートナーズ
(C)2020 Seiko Tanabe/ KADOKAWA/ Josee Project
(C)2020 Seiko Tanabe/ KADOKAWA/ Josee Project