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<インタビュー>草なぎ剛 “生きた芝居”は「慎吾のまね」から誕生 クズ男演じ即興クズダンスも

主演映画「台風家族」について語った草なぎ剛さん
主演映画「台風家族」について語った草なぎ剛さん

 草なぎ剛さんの主演映画「台風家族」(市井昌秀監督)が6日に公開された。映画は、10年ぶりに実家に戻ってきた鈴木家の4人きょうだいが遺産相続をめぐって繰り広げる、ある夏の一日を描いたブラックユーモアあふれる物語。草なぎさんは“クズ男”の長男・鈴木小鉄を演じている。草なぎさんにとって今作が「新しい地図」として歩み始めてから初の単独主演映画で、市井監督とは初タッグ。演じる際に「人のせりふを覚えない」という草なぎさんと市井監督に話を聞いた。

 ◇人のせりふを覚えないのが「いいさじ加減」 定評ある演技の秘密

 これまでにも映画やドラマで、その演技を絶賛されてきた草なぎさん。市井監督は「生きたお芝居をされる方。いつかご一緒したかった」と初タッグを喜び、「草なぎさんは人のせりふを覚えないで演じるので、純粋なキャッチボールをしている。相手の言葉を新鮮に受けて、自分のせりふを言うから勝手に感情が乗ってくる」と自然体の演技をたたえる。

 それを聞いた草なぎさんは「僕は(香取)慎吾のまねをしているんです。あいつができるなら僕もできるだろう、みたいな」とにっこり。「慎吾は、もともとステージに出る時、準備もなく“やっちゃいなよ”という感じで出ていたので、何で全然(準備を)やっていないのにできるんだろうと、前の日からやっている自分が悔しくなってしまって」と自身に影響を与えた香取さんの姿を明かした。

 人のせりふを覚えないことで、自分のせりふのタイミングを忘れ、“変な間”ができることもあるが草なぎさんは「変な間もそれっぽくなる。日常にそういう間ってある。(台本を)全部分かっていると構えてしまうので僕としては、いいさじ加減なんです。覚えないのは、役作りかな」とちゃめっ気たっぷりにほほ笑み、「(やり方は)時期によって変わるかもしれないけど、慎吾がずっとそんな感じなので、僕も変わらないかな」と笑顔で語った。

 ◇「クズ男」に共感できる部分も? リアルに追い詰められ生まれた「クズダンス」

 仕事も長続きせず、親の遺産を1円でも多くもらおうとする小鉄のあまりの“クズぶり”に「演じていて笑いそうになってしまった」という草なぎさん。市井監督が12年間、構想を練ったオリジナルストーリーで、脚本は草なぎさんが主演することが決まってから「背中を押されるように書いた」という。市井監督は「大物の草なぎさんが、あえて小物を演じるのが面白いと思った。小鉄は“ずる賢い”のではなく“小ずる賢い”」と役どころを説明する。

 草なぎさんは「僕自身も(小鉄と同じ)長男。脚本を読んでクズだと思ったけど、共感できる部分もあった。僕は監督が言うような大きな人間ではなくて、小っちゃな人間。小鉄を演じる上では小っちゃい人間でよかった!」とおどけながら語る。小鉄との共通点を聞かれると「僕も遺産相続の時には、ちょっと多くもらえたらいいなと思う。でも、僕がきょうだいの中で一番稼いでいるから『俺は遺産なんていらない!』と言ったら、かっこいいかな」とジョークを交えて笑わせた。

 物語が進むにつれ、小鉄は追い込まれ、自暴自棄になって“クズダンス”を踊る。草なぎさんは「あれは本当に追い詰められて出た踊り」と告白し、「監督に『家で(ダンスを)考えてきます』と言ったのに本番まで何も考えていなかった。『大丈夫です』とうそをついていたので、怒られるんじゃないかと思って焦りました」と回顧。一方で自身が出演するCMでも「いつもアドリブ」だといい、「『自分はできる子だ。俺の中の振付師が出てくるぜ』と思い込んで踊りました」と得意そうに笑みを浮かべた。

 ◇年齢を重ねて内面に変化 「この役は若いときにはできなかった」

 草なぎさんは「家族」と聞いて思い浮かべるのは「やはり自分の家族です。僕もいい年だし、ここ1、2年、両親に会うたびに年を取ったなと思います」としみじみ。「映画の中の『父ちゃん! 母ちゃん!』という叫びは、僕の等身大の叫び。若い時には、この役はできなかったと思う」と話し、このシーンが「僕にとってこの映画のクライマックス」と熱を込める。

 また、これまでも演じた父親という役どころでも、自身の変化を感じた。小鉄が娘のユズキに「自立しなさい!」と言われるシーンで、泣く予定がなかったにもかかわらず、自然に涙がこぼれた。「年を重ねて(劇中の)子供に対しての思いが、より深くなってきた。以前より尊く感じる」と振り返り、「ユズキの何気ない動きや、ユズキがそばにいること……ちょっとしたことが僕の中で刺さる。あのシーンは自分が泣いていることに気づいていなかった。監督に言われて、俺、泣いてたの?と。自分には子供がいないけど、そういうのが親なのかと思った」と話して目を細めた。

 ◇公開延期を経て3週間限定公開に 「正直うれしい」

 当初、6月に公開予定だった「台風家族」。新井浩文被告が小鉄の弟役で出演していた関係で公開延期になったが、公開を望む声を受け、今回、3週間限定で公開された。

 草なぎさんは「この作品を応援してくれる方がたくさんいて、みんなが声を上げてくれたおかげ」と感謝。「映画は普通に公開されることが当たり前だと思っていたので、いろんなケースがあるんだなと思いました。去年の夏、暑い中、みんなで頑張って作ったので一番悲しいのは、お蔵入りになること。今回は3週間ですけど、公開できるのは正直うれしい」と率直な思いを口にする。

 市井監督も「本当に感謝しています。これまで映画作りに直接関わる人ばかりを見てきたけれど、映画が公開されるまでには、もっとたくさんの応援してくれる方あってこそと身に染みて感じました」と感慨深げに公開の喜びを語った。

(取材・文・撮影/神取恭子)

(C)2019「台風家族」フィルムパートナーズ
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<初日舞台あいさつ>草なぎ剛、主演映画「台風家族」公開 役者として「初めて学んだこと」明かす

舞台あいさつに登壇した草なぎ剛さん
舞台あいさつに登壇した草なぎ剛さん

 草なぎ剛さんが9月6日、東京都内で行われた主演映画「台風家族」(市井昌秀監督、公開中)の初日舞台あいさつに出席。クズ一家のダメ長男・小鉄役を演じた草なぎさんだが、「監督から『草なぎくんの小鉄が見たい』と言われた。僕はそれができなくて、今まで悩んできたのかなと思った。自分を出すことによって、その役に見えるということを今回、初めて監督から学ぶことができた」と役者として大きな一歩となったことを明かした。

 草なぎさんは「公開までたどり着けたのは、皆さんの応援の声が大きく届いたおかげ。『初日、公開おめでとう』という言葉がこんなにグッとくる日は初めて」と喜びを語った。舞台あいさつにはMEGUMIさん、中村倫也さん、尾野真千子さん、甲田まひるさん、若葉竜也さん、長内映里香さん、榊原るみさん、藤竜也さん、市井監督も登壇した。

 笑顔にあふれた舞台あいさつとなり、草なぎは「1年前にこのメンバーで撮影をした」と切り出し、「それぞれが、そのときに持っている力を最大限に出して取り組んだ作品。この映画はどこにもない、唯一無二の作品。自信を持って薦めたい」と完成作に胸を張っていた。

草なぎ剛、6月公開主演映画で“ダメダメな奴”に 新井浩文&MEGUMI&中村倫也と“きょうだい”に

映画「台風家族」に出演する(上段左から)新井浩文さん、草なぎ剛さん、MEGUMIさん、(中段左から)尾野真千子さん、中村倫也さん、甲田まひるさん、(下段左から)榊原るみさん、藤竜也さん、若葉竜也さん、長内映里香さん(C)2019「台風家族」フィルムパートナーズ
映画「台風家族」に出演する(上段左から)新井浩文さん、草なぎ剛さん、MEGUMIさん、(中段左から)尾野真千子さん、中村倫也さん、甲田まひるさん、(下段左から)榊原るみさん、藤竜也さん、若葉竜也さん、長内映里香さん(C)2019「台風家族」フィルムパートナーズ

 草なぎ剛さんが、2019年6月に公開される映画「台風家族」(市井昌秀監督)の主演を務めることが1月22日、分かった。ある一家の真夏の1日を描くブラックユーモアあふれる物語で、草なぎさんは一家の長男・小鉄役で、その弟と妹を新井浩文さん、MEGUMIさん、中村倫也さんが演じるほか、尾野真千子さん、甲田まひるさん、長内映里香さん、若葉竜也さん、榊原るみさん、藤竜也さんも出演する。

 「台風家族」は、2013年に公開された星野源さん主演の映画「箱入り息子の恋」の市井監督とスタッフが再集結して製作。市井監督が12年にわたって構想を練ったオリジナルストーリー。2000万円を銀行から強奪し、世間を騒がせた鈴木夫婦。その事件から10年たった18年の夏。事件後行方不明になった両親の仮想葬儀で財産分与を行うため、鈴木家の兄妹が集まる。そこへ、チャラチャラした男がやってきて……という展開。映画は18年7月に撮影された。

 草なぎさんは仕事が長続きしない鈴木家の長男・小鉄、MEGUMIさんは長女の麗奈、新井さんは次男の京介、中村さんは末っ子の千尋、尾野さんは小鉄の妻・美代子、甲田さんは小鉄と美代子の娘・ユズキ、若葉さんは麗奈の彼氏・佐藤登志雄、長内さんは物語の鍵を握る謎の女・富永月子、榊原さんは小鉄らの母・光子、藤さんは小鉄らの父・一鉄を演じる。

(C)2019「台風家族」フィルムパートナーズ
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